創業当初は、写真の現像、カメラ販売からスタートし、現在は、事務機器販売・メンテナンス事業、オンデマンド印刷事業、OAサプライ事業と、お客様のオフィス環境にご提案できるサービスを幅広く事業展開しております。
これらはすべて、お客様との接点をひとつで終始するのではなく、より太い絆でお客様と結びつき、信頼のおけるグッドパートナーでありたいとの思いからです。
お客様のご期待に沿えるよう、社員一丸となって邁進してまいります。 今後とも、変わらぬご支援とご愛顧を賜りますよう心からお願い申し上げます。
みなさん、こんにちは。
ここでは、私が普段過ごす中で感じたことなどを書かせていただきたいと思います。
私の中の「素」の気持ちを書き続けていくことで、新たな「何か」が循環できたら・・・。
どうぞよろしくお願いいたします。
第22号(2010年11月)
プライスレスな感動と満足
少し前のテレビCМになりますが、「プライスレス」というキャッチコピーが使われていました。
プライスレスとは、あまりにも貴重な物のため値段がつけられない(お金では買えない)という意味です。
たとえばそれは、友情や愛、至福の時間だったりするのでしょう。
商品を買うために使用するクレジットカード会社が「お金では買えない」という発想のもとで、
それをストレートに表現したキャッチフレーズを打ち出したCM自体にとても心惹かれるものがありました。
先日、何度も利用している焼肉のお店を予約しようと電話をしました。いつも満席でその日もやはり予約が出来ませんでした。
「そうですか・・・」落胆した私の声を察してか、電話口のお店の方が最近出来たもう一軒別の系列店の電話番号を教えてくれました。
「ただし、紹介が無ければ予約できませんので私の名前を伝えてください」とのこと。
正直、焼肉ごときで・・・とおもいましたが、逆に妙に気になりパソコンで検索してみました。
(なんや、ちゃんと普通にあるやん)
何気なく見ていると気づいたことがあります。
住所も電話番号も載っていないのです。店内の雰囲気こそ画像で知ることが出来ても場所も連絡先も分からないのです。
そして、予約時にお知らせしたパスワードで玄関のセキュリティを解除してくださいとのこと。(これもプライスレスですね)
ホームページの掲載活用方法がこんなふうに変化していることに感心しました。
食事や商品を購入するときに、そのものに対する価格(価値)のバランスが取れているか。
それから、お店が提供するサービスがどうかで、またその店を利用しようと思うかを決める人は多いでしょう。私もそうです。
これらはお店が決めたルールに則り、お店で働く人たちがお客様に提供するもの。
これらには満足はあれども感動までは抱かれる人は少ないでしょう。
さて、ある雑誌にこのような記事が載っていました。
ある初冬のみぞれまじりの雨が降る夜のファミレス。よくある1階駐車場、2階レストランの形式の店。その階段を、若い娘さんが70歳は超えているだろうおばあちゃんの手を引いて上がってくる・・・おばあちゃんは足が悪いらしく、難儀そうに引きずっている。ホールに入れば高校生の女の子が明るく迎えてくれる。アルバイトはおばあちゃんたちを席に着かせると、何を思ったのか、足早にキッチンに消え、ほどなくポリバケツを持って現れた。
何だろうと思っていると、バケツの中にはお湯が入れられている。
「もしも、よければ、このお湯に足を入れて温めてください。きっと気持ちいいですよ」と女の子。
彼女はとっさの機転で、今で言う「足湯」の出前をやってあげたことになる。
おばあちゃんが喜んだことは言うまでもない。この子の親切さはそのファミレスチェーンの伝説となり、” エンプロイー・オブ・ザ・イヤー“となって賞状と賞品をもらう結果になったのは当然だろう。
後日談があって、そのおばあちゃん、そのファミレスのある町内会の大物さんで、その彼女が「あそこはいいわよ〜」と宣伝してくれるものだから、すっかり地元に定着した人気レストランになったという。
それにしてもすばらしいアルバイトの女の子ですよね。
これらはこの店のルールでもなんでもなく、アルバイトの女の子の『気転』。
こんなものをルール化されたのではほんとに冷めてしまいます。
プライスレスな従業員の「感動」を生むおもてなし、
つまり、人間としての「相手を気遣う気持ち、心遣い」を自然な発想で形にして、相手に表現していく姿勢は、コストをかけルール化したお店が提供する企業サービスに(それがどんなにお金をかけたものであっても)決して負けることがないように思うのです。
そこに生まれる大きな価値は相手の心も動かし、
そしてさらに大きな何かが生まれて循環していくのでしょう。
だからこそ、プライスレスな感動と満足に気づきを持てるように「人間力」を培っていけるようにしたいものです。
社員一人一人がプライスレスな感動を提供できる「人間力」をもつ会社。
そして、その結果として
地元のお客様に自然に愛されるちょっと感じのいい会社に・・・
そんな会社を目指して行きたいものです。
by Hiroshi Nakamura
第21号(2010年10月)
感動体験DVD
前号からの続編です。お客様に感動を頂いた社員の活動をまとめた『感動ムービー』のことを前号でご紹介いたしましたが、今回は、実際にそれを観た社員の感想アンケートを抜粋していきたいと思います。
感想アンケートとあわせて是非ムービーもご覧ください。
【※注 必ず音声の出る状態でご覧くださいませ】
クリックでムービーが再生されます | 社員から寄せられたアンケート |
感動体験DVD感想まとめ
【感動体験DVDを見て、気付いたこと・感じたこと】 |
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◆ | すぐに目に見える何かが得られなくとも、行動するということは無駄にはならないということ。小さなことの積み重ねが後に感動を生むのだということを改めて感じました。 管理部入社1年目 |
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◆ | 常々、自分たちの仕事はお客様からの感動をいただきながら成り立っていることを改めて実感しました。そして、自分自身も一つでも多くの感動をお客様からいただけるよう頑張りたいと思いました。 サービスエンジニア |
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◆ | 当社の歴史を感じました。社内で仕事をしているだけでは分からない、営業担当とお客様の信頼関係を知ることができました。その信頼を失わないようにしなければいけないという責任も生まれました。また、社員ひとりひとりの誠意ある対応の積み重ねが、たくさんの感動や信頼に繋がっていると思いました。自分自身も日々社内、社外問わず、自分が出来る精一杯のことをしながら接していきたいと思いました。 管理部所属 |
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◆ | それぞれの体験談に、本当に苦労を重ねお客様との信頼関係を築いてきた結果が、今回の感動体験だと感じ、新人の自分としましては、改めて営業のやりがいを意識する機会にもなりましたし、同時に、自分も現在担当させていただいているお客様との信頼関係を築いていき、いずれは先輩方のような感動体験ができるよう努力したいと感じました。 営業部入社1年目 |
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◆ | 上司や先輩の体験談にもかかわらず、私自身胸にこみ上げるものがあり深く感動しました。最近、新規開拓や取引先を訪問する中で、お客様に迷惑がられているのではないか、物売りが来たと思われているのではないか、と不安もあったため、今日の鑑賞は本当に心のパワーになるものがありました。私も心からお客様に「ありがとう」と言われるように上司や先輩のようにお客様目線で物事を考え、提案していけるように頑張りたいと思います。 営業部入社1年目 |
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◆ | 率直に感動しました。50年という長い歴史の中で先輩方が築き上げてきた絆の重みを改めて実感しました。毎日のようにある「決定報告」の一つ一つに、筋書きのないドラマがあり、その一つ一つが歴史を作っており、今まさに自分もその歴史に参加している喜び、そして多大な責任を感じました。 営業部所属 |
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◆ | 改めてお客様と接点活動ができる喜びを感じました。対面だからこそ、心の通い合える営業活動ができ、顔を覚えていただけることで信頼を得ることができるということを実感するとともに、自分だけでなく、ほかの方の感動エピソードを見てもそういった事例が多く、我々のやっている仕事に改めて誇りが持てました。 営業部所属 |
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【『更にお客様に感動して頂くために…』今後どのようなことに取り組むか?】 |
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◆ | DVDを見て思いましたが、誰もがお客様を感動させようと思って行動しているわけではなくて、お客様に満足をして頂こうと、いろいろ営業マンが努力した結果がお客様の感動に繋がったんだと思いました。まずお客様をもっとよく知り一つの満足だけでなく、二つ三つと数多く満足していただく為にさらに努力していきたいと思います。 営業部所属 |
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◆ | お客様に感動をお届けするためにはまず、お客様のことを良く知り、お客様が考えている事をより理解した上で、さらに自分の持つ力でどのように喜んで頂けるかを考え行動に移していきたいと思いました。たとえば、お客様の業務内容をよく知り、その中で一番適したコピーの使い方や、今まだ活用されていない機能をご案内していくなど、「使いたい!」と思って頂くためのきめ細かなサポートが大切だと感じました。 営業部営業アシスタント |
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【その他(フリーコメント)】 |
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◆ | DVDを見て、本当にお客様あっての「NADIX」だと実感しました。お客様の一言一言がセールスにとっての大事な栄養剤だとも思います。 営業部所属 |
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◆ | DVDに残していただけるエピソードになったこと、気恥ずかしい反面、やはり嬉しいです。私はNADIXに入り、本当に周りに支えられてここまでやってこれたのだと実感し、様々なことへの感謝も実感しています。今後は私がみんなに感動を与えられるような行動をとっていきたいです。 営業部所属 |
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◆ | DVDの配布はあるのでしょうか?子供が分かるようになったら、お父さんの会社がどんなところか教えてあげたいです。 製作部門所属 |
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以上ですが、皆様のご感想はいかがでしたでしょうか。
いつかお聞かせいただけましたら幸いです。
by Hiroshi Nakamura
第20号(2010年09月)
ゴール(実現したいこと)への意識
学生時代に添乗員のアルバイトをしていたことがありました。
もし私が、今この仕事をしていなかったなら、旅行会社への就職にチャレンジしていたことでしょう。
今では資格が無いとできなくなったと聞きますが、このアルバイト、朝は大体5時起きで、寝るのは深夜という大変なオーバーワークであったことも思い出されます。
しかも、トラブルも常につきもので、冷や汗を何度流したことか分かりません。
それなのにその対価はというと日給4000円。時給換算すると200円ぐらいになってしまいます。
それでも続けることができたのは、ひとつのツアーが終わり、新大阪駅で解散する時に参加したお客さんから頂ける「ありがとう。いい思い出ができたよ」という言葉があったからだと思います。
そんな醍醐味を実感してしまうと、毎回経験を積むにつれ、さらにどうすればもっと喜んでいただけるかを考えたり、一度も行ったことの無い地域への添乗の際は事前に見所を調べるなど、さまざまな工夫を思い巡らしていたものです。
最低3日間お客様と寝食を共にするなかで、はじめは、その間中つまらない顔をされるのが嫌だったから・・・だったのですが、それがいつの頃からかお客様の笑顔を見たいという、(ある意味、自然で当たり前の)強い気持ちへと変わっていったのでした。
今から思えば、これらの経験は今の自分の考え方にとても影響したように思います。
辛くとも、したい仕事ならやりがいをもってチャレンジできるといえば、先日こんな記事が載っていました。
青年海外協力隊に入り、世界に出て貢献する若者がいますが、ここ数年、女性の増加が著しく、今年9月現在の派遣隊員は女性が男性の約1・4倍になったそうです。
いま、就職も難しく、したい仕事も見つからない時代。したくもない仕事をせざるを得ない時代とも言い換えることもできます。
この辛くとも生き生きと働く姿は、テレビでも数多く取り上げられ沢山の人々の刺激にもなったことでしょう。ほんとうに素晴らしいことだと思います。
さてそれでは、したい仕事にしか『やりがい』は無いのでしょうか。
目の前にある仕事の納期や目標に追われる毎日。
この競争原理の中で、モチベーションをあげることは至難の業なのかもしれませんね。
しかしそれは、『仕事』を【・・・しなければならない】ものという発想でスタートするからではないでしょうか。
「やらされ意識」ほど辛いものはありません。
『仕事』を【・・・したい】ものに発想転換できたなら、環境が同じであっても意識はまったく違ってくるように思います。
【・・・したい】すなわち【自分のなりたい姿(ゴール)】を明確に持つこと。
会社にビジョンがあるように、個人にも夢が必要です。
しかもその夢は、簡単に成し遂げられるものではなく、時間も労力もかかり壮大なものであってもかまわないのです。
そして、その夢の実現に向けて、小さな具体的な行動を起こすことで、今ある目の前の仕事でも全然違ったものに見えてくるのではないでしょうか。
【したいこと】をするというと、【したいことだけ】をすると捉えがちですが、決してそうではありません。
「今日は気分が乗らないから仕事をしない」ではないのです。
ここにはなんら責任という概念がありません。
【したいこと】をするということは、自己責任が発生するのです。
義務感ではなく、目の前にある仕事の延長線には、【・・・したい】すなわち【自分のなりたい姿(ゴール)】に繋がっている意識を持つことが大切なのかもしれません。
さて話は変わりますが、前号でお伝えした『感動ムービー』が完成いたしました。
お客様に感動を頂いた社員の活動が沢山集まりました。
先日、全社員で鑑賞し感想を書いてもらいました。
その中に、『当たり前のことを普通に行う』ことこそ顧客起点であり、その先にお客様との信頼の絆が構築され感動を頂くことができるという回答がありました。
お客様から頂ける『ありがとう』の一言。
我々にとってこれほどの『やりがい』に繋がるものはありません。
意図的なものではなく、自然とそのように体が動く。
私もそのとおりだと思います。
社員個々が損得ではなく、お客様にご満足していただくために自然発生的に行動する力というものは、会社にとってこれほど強いものはありません。
次回はそのムービーのご紹介をしたいと思います。
ぜひご覧ください。
by Hiroshi Nakamura
第19号(2010年08月)
大切なことへの実感と共感
「信頼の絆」という言葉を何度かここでも使ってきましたが、実は我が社の今年度スローガンのキーワードでもあるのです。
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人はやりがいを感じ、底知れぬ力を発揮するように思うのです。
そんなことをずーっと考えていたときに、大前みどりさんという方をご紹介いただきました。
大前さんは、人の夢を形にすることができる、まさに「ドリーム・プロデューサー」とも言われている方なのですが、この度、ある仕掛け作りを大前さんとともに全社員が考え創りだしていくという機会を持つこととなりました。
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http://ameblo.jp/quotations/entry-10274349106.html |
50周年を迎え、新たな一歩を踏み出すにあたり、全社員で「信頼の絆」の本質を実感し考えてみるための、皆が何かを共感しながら答えを見つけていくという試みです。
ディスカッション風景 | |
人は、仕事を通じて様々な感動を体感しています。その実体験をヒアリングし、再現映像を通じて全社員で共有化し、モチベーションアップに繋げていくという目的の中で先日、グループディスカッションを実施し、今までに経験した自身の感動秘話を語り合い、書類にまとめました。ここから、数人の経験談を再現映像【感動ムービー】にまとめる作業に移ります。
さて、それでは私個人が体感した感動話はというと・・・
この年になると小さなことにも感動しやすいので、はたして皆さんが聞かれて感動と呼べるかは分かりませんが・・・。
1年ぐらい前のことでしょうか。社員と飲みに行ったわけですが、私は車だったのでアルコールを控え、家が近所だったその中の一人の社員を送って帰ったときのことです。
何度か送ったことはあるのですが、降ろす場所から数分の所に彼の家があります。
しかし、私の帰路から逸れるため、いつも降りる場所は決まっていました。
ところがその日は違いました。
彼が「社長、もう少しこの道を入ってもらえませんか。私の家を見て欲しいんです」
あっそうなんや。私は特に何も思わずその方向へハンドルを切りました。
「あれです。あの家が私の家なんです」
「へぇ、いいやん」家から漏れる明かりがとても暖かく感じました。
「そしてね、あの小さな車が我が家の愛車です」
「なるほど」
「この家と、大切な家族、これが僕のすべてです。この家を見ていると、自分が守らなきゃいけないなって気持ちになります。社長には見ていただきたかったんです。社長、これからもよろしくお願いいたします。」
と、彼は少し照れくさそうに言いました。
「うんうん、こちらこそな」
彼を下ろした後、バックミラーを見るといつまでもそこに立っていました。
実は彼は10年ほど前に信用金庫をリストラされ、当社に中途入社した社員です。
入社してしばらくは、まったく実績が低迷していました。
3年間ぐらいはそんな状態が続いていましたが、徐々に向上し、今では常にトップグループの成績を残してくれています。
そんな彼の原動力は、この『守るべきもの』にあったんですね。
私は、見送ってくれている彼の後ろに、温かい明かりが漏れる家をバックミラー越しに見て、微笑みながら一人大きくうなずいて軽やかな気分でアクセルを踏み込みました。
人は皆、何かを背負って生きているわけですが、背負う以上は時として重荷にもなります。
しかし、その責任感が自分への励みとなったり、やりがいにもなったりするのです。
そして、「やりがい」というモチベーション向上の源は、時として周りにも感動という形で波及していくのかもしれません。
社員が仕事を通じて経験した感動秘話は、はたしてどんな形【再現ムービー】で出来上がってくるでしょうか。今からとても楽しみにしています。
そして「信頼の絆」を言葉としてとらえるだけでなく、「実感と共感」を大切にしながら、全社員の心がひとつにまとまっていく過程を皆で感じあえたら、と思っています。
なぜなら今、会社にとって何が大切かと聞かれるなら、「組織の一体感だ」と、私自身心から思うからなのです。
by Hiroshi Nakamura
第18号(2010年07月)
世代間ギャップを乗り越えてこそ
4年に一度のワールドカップ。
今回は日本中に、「忘れかけていた団結力」のようなものを私たちに熱く伝えてくれました。この閉塞感の世の中ではありますが、ネット上でも、若者たちが前向きにそして熱く燃え上がっていたようです。
というのも、今2011年度の新卒採用の面接を行っている真っ最中なのですが、ある学生との会話の中でネットで使われている若者たちの言葉を教わる機会がありました。
ワールドカップでゴールを決めた本田選手を称賛して
「本田△」。
これ、皆さん分かります? 私は全く意味不明でした。
△ (三角)→三角形→本田三角形→本田さん、かっけぇ→本田さんかっこいい~! だそうです。思わずそのユニークさに笑ってしまいました。
私達の世代では思いもつかない、まるで連想ゲームのような、それでいて意味だけは通じているような(?)、まさに「今の若者文化」を象徴するような言葉とユニークな響きに驚いてしまいました。きっと彼等は熱い思いをこめながら、次々と面白い言葉を生み出しながらお互いに燃えながら(同世代での言葉の共有意識も持ちながら)語り合っているのでしょう。
「世代」という観点では・・・
話は変わりますが、先日テレビを観ていた時のことです。
40代半ばのお母さんと20代前半の娘が出ていました。
若かりし頃「バブル全盛期」を過ごしたお母さんの買い物に、二人で出掛けて行くのですが、立ち寄ったのは「中古ブランドショップ」。
お母さんの眼の色が変わり、あれも欲しいこれも欲しいでニコニコ顔状態。
それを少し離れたところで娘が冷めた目で見つめていました。今度は娘の買い物です。向かったのは低価格衣料品の「しまむら」。
娘は千数百円の服を両手に、どっちにしようか決めきれないようでした。それを見ていたお母さんは「もう両方買ったらいいじゃないの」と呆れながら切れるほど・・・。
親子であっても世代が違えばこんなにも価値観も違うということをまさに証明しているようなシーンでした。
これが会社組織ではどうなるのでしょうか。
先日の日経ビジネスに、世代間の違いによる課題について書かれていました。
・ バブル入社世代(1986年~1992年入社)
この世代の管理職が増えるに従い、20代の若手からは「頼りにならない」「面倒を見てくれない」という声が急増。
・ 就職氷河期世代(1993年~2005年入社)
就職に苦戦し、多くが希望しない企業に就職。三人に一人が仕事に絶望感を抱いている。
昇進したくない理由を尋ねたところ「責任を負いたくない」「面倒だから」という回答が半数近くを占める。
・ ゆとり教育世代(2008年~入社)
競争文化の教育を受けていないためか、「年功序列型企業」への就職希望が50%突破。
社会人としても「叱られた経験が少ない」という回答が4割。
これらを考えていると、先ほどに記した「ネットで使われる言葉の世代文化の差」、または「親子であってもの確実に存在する価値観の大きな違い」をさらに大きなくくりで、企業内や経済社会へと影を落としていく「世代間ギャップ」は、ユニークでは片付けられない深刻さを持っているようにも思うのです。
会合の冒頭、ご挨拶をいたしました。
我々中小企業にとっては、「人」がすべてといっても過言ではありません。
上司から部下に対して、指示・命令ばかりではなく、一緒に考え答えを導き出してあげることが大切であり・・・だからこそ。ひとりひとりとしっかりと接点をもち、社員の自発的な行動を尊重してこそ企業は成長する・・・そんなことを実感した参加者も多かったのではないでしょうか。
ただ、そこで大切なのは「価値観の押し付け」にはならないこと。
確かに存在する「世代間のギャップ」をどう受けとめ、どう乗り越えていくか・・・。
どの世代の価値観がどうということではなく、価値観の集合体である企業こそが、それらの世代文化を見落とさないよう「集合体」として素直にとらえ、ばらついた価値観を共通のひとつの新たな価値観へと統合させながら、しっかりとした方向性を打ち出していくことが大切なのではないでしょうか。そして・・・その統合をうまく図れる意識を持った人材の集合体として成り立つことができる企業こそが、まさに今回のサムライブルーの団結力のような奇跡的な底知れない力を生み出していくように思うのです。
by Hiroshi Nakamura